【コラム】特定受給資格者の改正、マタハラも該当に

★妊娠・出産は、働く方にとって大きなライフイベントであり、仕事との両立における転換期になることもあります。

仕事を辞めることなく、同じ会社に復帰なさる方もいらっしゃる一方で、職場の理解が不十分で退職を余儀なくされるケースが少なからずあるのが現状です。

こうした現状を改善すべく男女雇用機会均等法において、平成29年1月1日から妊娠や出産等を理由とした嫌がらせ、いわゆるマタハラ防止措置を講じる義務が事業主に課せられることになりました。

厚生労働省の指針では、マタハラの類型を以下の2つに分類しています。

制度等(男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法)の利用への嫌がらせ型状態((1)妊娠したこと(2)出産したこと(3)産後休業を取得したこと(4)つわり)等で能率が下がったことなど)への嫌がらせ型

「制度等の利用への嫌がらせ型」とは、制度等の利用を理由に解雇や不利益取扱いを示唆する言動、制度等の利用を阻害する言動、制度等の利用を理由に嫌がらせ等をする言動を言います。

一方、「状態への嫌がらせ型」とは、妊娠・出産等を理由に解雇その他不利益取扱いを示唆する言動や妊娠・出産等を理由に嫌がらせ等をする言動を言います。

★マタハラ防止の措置が使用者に義務化されたことに伴い、マタハラを理由に退職を余儀なくされた人について、平成29年1月1日より、雇用保険からもらえる失業給付(正式には「基本手当」といいます。)においても、取り扱いが見直されることとなりました。

仕事を辞めると会社に申し出た場合、通常は自己都合退職となって、失業給付がもらえる場合にも給付制限が3か月かかります。

ところが、マタハラを理由に退職を余儀なくされたケースについては、会社の倒産や解雇など、いわゆる会社都合の離職をした人と同じ「特定受給資格者」に該当する取り扱いと認められることとなりました。

具体的には以下の理由により離職した場合、「特定受給資格者」に該当することとなります。

○事業所から妊娠・出産を理由とする不利益な取扱いを受けたことにより離職した場合

○育児休業・介護休業等の申出を拒否されたことにより離職した場合

特定受給資格者になるメリットは、失業手当がもらえる日数が自己都合の退職者に比べ手厚い給付日数となる場合があることや、3か月の給付制限期間がなく、一般の受給者よりも早く失業給付が受けられるなどが挙げられます。

本来ならば妊娠・出産等を原因とする望まない離職は避けたいものですが、やむを得ない事情もあるかもしれません。

もしマタハラによる離職である場合は、こうした改正があることを思い出して、失業給付の手続きのときにハローワークへ相談してみてください。

※ この投稿内容は、掲載日時点の法律等に基づいて作成しています。

フォローする